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ハラスメント

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クレーマー対応の際にやってはいけない3つの姿勢

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2018.06.01

 クレーマー対応は、担当者にとってかなりの精神的な負担になります。間違った対応をしてしまうといつのまにか解放されたい一心でクレーマーの指示どおりに動いてしまい被害ばかりでかくなってしまいます。クレーマーは、相手を取り込もうとあの手この手を活用してきます。そんな相手に無防備に対処することはあまりにも危険。
 これまでの経験からしてこれだけはやってはいけないことをお伝えしましょう。

「できます」という言葉でおさめない

 クレーマーは、同じことを執拗に請求してきます。説明しても納得せずに同じことをぐるぐる言ってきます。しだいに心が折れてしまい「このやりとりから解放されるなら」と相手の不当な要求に応じてしまうことになってしまいます。

 クレーマーは、相手の様子が弱ってきたら意図的にもうすこし軽めの要求をしてくることがあります。同じく不当な要求ですが「当初の要求ほど不当ではない」というものです。当初の要求よりも軽めの提案がされると「相手も譲歩しているならこちらも譲歩しないとまずいかな。とりあえずこれくらいで解放してくれるなら」とクレーマーの要求に応じてしまいがちです。

 これをやってしまうとクレーマーの思うツボです。いったん不当な要求に応じれば、さらに別の要求をしてくるものです。担当者も「不当な要求に応じてしまった」という後ろめたさがあるのでしだいにクレーマーの言いなりになってしまいます。小さな穴でもいったんあいてしまうとダムが決壊することと同じです。つらくても不当な要求はレベルの違いに関係なく応じてはいけません。応じてしまうとずぶずぶと巻き込まれるだけで終わってしまいます。

秘密の共有に陥らない

 クレーマーは、とかく担当者と秘密を共有しようとしてきます。例えば相手のプライベートの連絡先といったものです。秘密を共有すると心理的な一体感が生まれてくるので担当者をコントロールしやすくなります。ここで共有する情報は、ささいなものでかまわないのです。何らかの秘密を「共有させた」という事実が心理的拘束を生みだすからです。

 クレーマーは、相手の秘密を巧妙な手口で聞きだします。「秘密を教えろ」と言われて「わかりました。お伝えします」ということにはなりません。むしろクレーマーは、相手が自発的に秘密を話しだすような環境を作りあげていきます。例えば「君も一人前の仕事人だろ。だったら自分のことは自分だけで解決してみたらどうだ。会社に迷惑をかけるために給料をもらっているのか」など穏やかに攻めて相手の秘密を聞きだすようにします。文字にすると論理が破綻していることはわかりますが口頭でつらつらと言われると論理が破綻しているものほど「そういう見方もあるのか」と感じるようになります。

 しかもクレーマーは、できるだけ相手を組織から孤立させるように仕向けます。秘密をちらつかせながらできるだけ孤独な環境にもっていきます。孤独になればなるほどクレーマーのプレッシャーに怯えて冷静な判断ができなくなります。

 会社としては、クレーマーとのやり取りについてすべて担当者と情報共有をしておく必要があります。絶対に担当者を孤独な立場においてはいけません。まちがっても社長が担当者に対して「なんとかしておけ」のようなことを口にしてはなりません。そういった社長の態度がクレーマー担当者をなにより苦しめることになります。

話が大きくなることにおそれない

 誰しも自分の失敗は隠したいものです。クレーマーは、そういった担当者の気持ちをよく理解しています。ですから「こちらの要求を聞かないと話が大きくなるぞ」と揺さぶりをかけてきます。こういった揺さぶりに人は弱い。まじめな人ほど揺れてしまいます。

 誰だって不安あおられたらいやなものです。クレーマーは、不安をあおるのが巧妙です。よく「訴えるぞ」という人がいますが気にすることはないです。「訴えられる」というと自分に非があって責任を負うと誤解する人がいます。訴えるというのはあくまで司法の場で判断されるというだけです。訴訟になれば法廷で冷静に事実が判断されるためクレーマー対応としても随分楽になります。むしろ「訴えるのならどうぞ。こちらも司法の場で争います」と回答して話し合いを打ち切ればいいです。

 クレーマーは、自分の主張に根拠がないことを認識しています。訴訟になれば敗訴することもわかっています。ですから口だけで実際には訴えないことが一般的です。そのため当事務所では、こちらからクレーマーを訴えることもあります。すべて白日のもとにさらすためです。

 話をなんとか大きくならないようしようとすればするほど泥沼です。最近では「ネットで悪評書かれるのでは」と不安になる人もいます。ですが明らかに事実に反する内容であれば削除要求などをすることもできます。それにあきらかにクレーマーの偏った意見であれば大衆の知で相手にされません。

 クレーマーに対峙するときには、こういった3つの姿勢は持っておくといいです。もっと具体的な対応方法を整理しておきたい方は、いちどご相談ください。

 ちなみにクレーマーになりやすい人は、たいてい自尊心の欠如が見受けられます。「自尊心のない人ほどクレーマーになりやすい」という記事も人気なのでよかったらご覧ください。

【追加情報】

 事務所ではこれまで100名を超える悪質クレーマーの案件を解決してきました。その経験をベースに問題解決の手法を体系化し一冊の本にまとめたものが「社長、クレーマーから『誠意を見せろ』と電話がきています」(プレジデント社)になっています。こちらもご覧ください。

 

 

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